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2020.03.22 Sunday  | - | - | - | 

インカ帝国のルーツ「黄金の都シカン展」@国立科学博物館

国立科学博物館にて開催中の「特別展 黄金の都シカン」を「一日ブログ記者」として見てまいりました。
一日ブログ記者になると、無料で入場でき腕章を付ければ写真撮影も可能な上に、記念グッズまで頂けるというお得な企画でした。
なのに、この日にメモ取った紙を無くしてしまって、資料をみて思い出しながら書いてます。

このシカン文化ですが、30年に渡る発掘・調査を行ってきたのが、日本人である考古学者の島田泉教授(現南イリノイ大学教授)ということで、ずいぶん以前からTBSが何度か特別番組で紹介しているのですが、インカのルーツとも言える不思議な文化について偶然にもそのたびに目にしていたので、このブログ記者を知ったとき、何か縁があったのかと思うばかりです。 
シカン文化とはアンデス文明のひとつで、9世紀から1375年にチムー王国に征服されるまで、日本ではちょうど平安時代後期〜鎌倉時代〜室町時代にかかる頃まで、ペルー北海岸で栄えた文化である。島田泉教授が率いるシカン文化学術調査団が30年にわたって遺跡調査をし、先住民の言葉で「月の神殿」を意味するシカンと名付けた。
今回は、シカン遺跡周辺で発掘された遺物や、ペルー国内にある貴重な考古遺物約200件を展示している。

この展覧会では、随所にモニターが設置され、シカン遺跡の30年に渡る発掘調査の流れや、シカン文化についての島田教授の説明など、映像の力をすごく借りてる印象を受けました。初めてシカン遺跡に足を踏み入れた島田教授の30年の中には、大雨で洪水がおき、発掘現場が水につかって中断したこともありました。でも、また再開し引き続き発掘を続け、いまだシカン文化の解明に情熱を傾けておられます。

※写真はすべて主催者の許可を得て撮影しています。
シカン展
まずシカン遺跡にある大小12の神殿のうち、島田教授がシカン遺跡でおもな発掘場所となったロロ神殿とその周りにある埋葬墓の位置関係がわかりやすい立体模型。ロロ神殿じたいが日干しレンガで造られているので、上部などは雨によって崩壊してる部分もあり。

シカン展
これがアンデス史を変えた世紀の大発見といわれるシカンの黄金大仮面。シカン=月の神殿ということで、このゾーンの展示には月のモチーフをうまく使った展示が光ります。
この黄金仮面はロロ神殿東の墓の主埋葬者の顔に付けられていたもので、これまでインカのものと考えられてきた「アーモンドアイ」と呼ばれるつりあがった目が特徴の装飾をもつ金製品は、この地にルーツがあると確信にいたらしめるものでした。

シカン展
ロロ神殿東の墓の内部構造を表したのが左の展示で、右の男性図はこの墓の主の姿を生物学的に復元した当時の格好である。ちょっとぼやけているが、顔はモンゴロイド系である。
墓の内部には主埋葬者にいたるまでに、生贄と思われる遺体や、穀物、装飾品があり、なんと主埋葬者は首を切断されて顔に仮面を付け、体は逆さに埋葬されているという奇妙なもの。その上、最深部には女性の生贄がまるで出産のときのような格好で埋葬されていることもわかった。これは特別番組で詳しく取り上げていたのだが、死者の再生を意味しているという仮説が建てられている。

シカン展
こちらはトゥミと呼ばれる、シカン文化を特徴付ける儀式用ナイフ。
トゥミは神にささげる生贄の首を切り生血を集めるために使われたものらしいが、これは黄金製でシカン文化の首都にある大神殿ピラミッド、ベンタナスのあった墳墓から盗掘されたもの。上部の意匠はさまざまな製品にも採用されていて、ペルー国の象徴となってるそうだ。

シカン展
シカン遺跡ではアンデス文明のなかでもとくに大量の黄金の装飾品を作り、また実用具に使われた青銅の大量生産技術をはじめて確立した文化のがシカンであった。シカン遺跡から発掘された様々な彫金加工品によって、シカンが金属にとりつかれた文化であったことをうかがい知ることができる。シカンで流行したといわれる黒色土器には、シカンの生活のさまざまな場面が彫られている。

一連の展示が終わり、シカン遺跡発掘を再現した3Dシアターを鑑賞。
まるで発掘現場にいるような臨場感で、ロロ神殿や墓室が再現された立体映像を見るが、内容の半分は展示会場内で見た覚えのあるものだったり、TBSの特別番組を見てきた人には新鮮味があまりなし。ただし、ナチュラルとうたっているだけあってかなり自然な3D画面だったので、S.E.N.S.のテーマ音楽を聞きながら少し疲れた足を休めて、遠き彼の地の風景に思いを馳せるには物足りる作品となっています。

シカン展
ひととおり展示が終わって会場をあとにしたところで、アンデス地方に生息するアルパカについての紹介。透明ケースにはアルパカの毛が入っていて、手触りを体感できるようになってます。

会期終了まであとわずかですが、めったに実物を見ることのできない貴重な資料ばかりなので、アンデス文明に興味なくても鎌倉時代の日本の裏側を知ることは面白いかも!
私は見に行けてよかったと思います。

【特別展「黄金の都 シカン」】 国立科学博物館
会期: 平成21年7月14日(火)〜10月12日月・祝)
開館時間: 9:00〜17:00(金のみ 〜20:00)
  ※入館は閉館時間30分前まで
今後の休館日: 10/5(月)
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
2009.09.29 Tuesday 13:03 | comments(4) | trackbacks(1) | アート全般 | 

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2020.03.22 Sunday 13:03 | - | - | - | 
Tak (2009/10/04 10:41 AM)
こんにちは。
TBありがとうございました。

気が付けばもう12日で終了なのですね。
この展覧会も。随分と楽しませてもらいました。

それにしても、綺麗にお写真撮られていますね〜
ほうこ (2009/10/04 11:52 AM)
このたびは有益な情報ありがとうございました!
TBできてたんですね!夜中に何度やってもエラーになってしまったので、起きてからチャレンジするつもりでした。
写真はズームアップしたものは割とよく撮れてましたが、ブログに載せるために規約にそったものはぼやけたり・・・。途中、デジカメの設定を変更して最初から撮りなおした甲斐は多少なりともあったのかと思います。

これからもいろんな美術展や展覧会に足を向けたいのですが、なかなか思うようにいかず、今年の秋は目移りする企画展が目白押しで葛藤しそうです(笑)
big1hero (2009/10/04 11:42 PM)
9月26日に行きました。電気の講演会聞いて、ざーと見ました。シカンとインカは違うのと1991年発掘じゃ、学校で習ってないしゴールドは興味あるから成るほどでした。国立博物館で埴輪のネクタイのブルー購入、緑、茶は以前購入してたので3色揃いました。入場料は全て無料で、シカン展の招待券はオクションで処分したが、土曜日なのでまっすぐ帰宅しました。
ほうこ (2009/10/07 1:44 PM)
> big1heroさん

9/26に行かれたんですね。本当は私も26日の予定でしたが、体調崩して延期したのです。
これからも上野の散策を楽しんでくださいね。









「シカン展」
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